SNSでバズを飛ばしまくる漫画家、やしろあずき氏の自己啓発本
本書について
ざっくり内容紹介
・意外と前向きで建設的な「逃げること」への考え方
・フリーランスで働くことのメリットとデメリット
・自分を大切にする方法
・三角コーンについて
どんな人におすすめ?
・仕事や学校がつらい人
・就活がつらい人
・フリーランスに興味がある人
・やしろあずき氏のファン
筆者について
この記事にたどり着いた方にはもはや説明不要かもしれませんが、簡単に著者のやしろあずき氏を紹介します。
やしろあずき氏はWEB漫画家としてSNSで非常に活躍されている方です。薄ピンクのハンプティダンプティのような筆者が右往左往する漫画はもはや一種のネットスラングじみた知名度を持つコンテンツとなっています。ひょんなことからファンより大量に送られ続けることとなった三角コーンはもはや彼の代名詞といっても過言ではありません。
バズ漫画を大量に世に送り出す傍ら会社も二つ経営していて、Twitterのフォロワーは53万人以上(2021年6月現在)というなんかちょっとよくわからなくなってくるくらいすごい人です。
書評
表題にある「逃げる」ことに関してですが、私は読む前SNSや漫画の破天荒なイメージから、「嫌なら逃げたらいいよ! 終わり!」といった勢い任せな内容なのか思っていました。
ですが、読み始めてみると意外と現実的で前向きな「逃げる」ことへの考え方がつづられていて、なんだか心がすっと軽くなる内容でした。本書「人生から『逃げる』コマンドを封印している人へ」は全編通して、「自分をないがしろにしてはいけない」というやしろあずき氏の信念をうかがうことができます。
「今の環境は自分にとって合っていないと感じるが、違う場所で会社員として働いた方が自分に向いているのか、はたまたフリーランスとして働いた方が合っているのか…」会社員もフリーランスも経験した筆者の体験談と通して真面目に考えさせられました。
この手の自分の経験を交えた自己啓発本は「いうて辛いこともあったけど結局おれはすごいやつだからなチラッチラッ」といった自己顕示欲が鼻につくことも多いのですが、この「逃げコマ」のやしろあずき氏の経験談はあまりにハチャメチャすぎてもはや素直に笑ってしまったので、本当に心が疲れた人でもさくさく読めるかもしれません。
(本まで出している人に対して自己顕示欲がどうのこうのいうのはお門違いかもしれませんが、精神が弱っているときに「すごい人の自分自慢」をモロに食らうと瀕死になりかねないので…)
また話のところどころから、「やしろあずき氏はとことんご両親から自分を大切にするように育てられたんだな…」と感じました。
「別に風邪とかじゃなくても心が痛んでる時は体調不良と同じだよ‼ 辛いことがあった時は家で心を休めるのは必要なことさ‼ ズル休みとは言えないよ‼」
(本書より引用)
漫画だとやしろ母がすごい疾走感でこんな優しいことを言っているので、そのギャップもクセになりますね。
私自身、「しんどい…今日学校休みたい…」と苦しむことが多かったのですが、これだけバシッと親から「つらいと思う自分の心」を認めてもらって、ケアしてやりなと言ってもらえたらどれほど心強かったかとちょっと胸が苦しくなりました。
あとあの…やしろあずき氏と三角コーンについての経緯がよくわかります。
自己啓発本とは?
まとめ
漫画と小粋な語り口で疾走感がありつつも、真剣に「今の環境から抜け出したい」という気持ちと向き合わせてくれる一冊。
日々がつらいあなたの心の整理を軽やかなノリで手伝ってくれます。